Facebookで「7日間ブックカバーチャレンジ」のバトンをもらったのでやっていきます。
2020年5月11日(月)
こんにちは、和歌山県橋本市の鍼灸師ワダです。ブログをご覧いただきありがとうございます。
7日間ブックカバーチャレンジ
概要
7日間ブックカバーチャレンジとは、読書文化の普及に貢献するためにはじまったチャレンジだそうです。
その内容は、好きな本を1日1冊選び表紙の画像を7日間アップを続ける。本の内容は書かずに表紙の画像だけで良い。また1日に1人にチャレンジへの参加をお願いするというのが基本となります。
本年の3月頃からみられるようになり、4月には広く拡散されるようになったようです。
悪く言えばチェーンメールのような要素があるのですが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言による自粛の中ですので、こういったチャレンジは有意義だと思います。
実際に家で過ごす方が多いためか書籍の売り上げも上がっていると聞きます。
私も定期的に読書会というオススメの本を紹介する会のメンバーである片山さんからバトンをいただいたのでやってみたいと思います。
本への思いがあふれすぎて説明が長くなったのでブログにも転載したいと思います。
『ブッダの真理のことば・感興のことば』中村元:著
まず1日目は、人生で悩んだり迷ったときに大きな指針になる本です。
中村元先生の『ブッダの真理のことば・感興のことば』(岩波文庫)です。
中村元先生はインド哲学、仏教学の第一人者で、パーリ語やサンスクリット語に精通し多くの初期仏教の経典を翻訳しています。
書籍では『ブッダのことば(スッタニパータ)』が有名で、ブッダ(お釈迦様)が伝えたとされるもっとも古い仏教の経典と言われています。
ブッダ(お釈迦様)はご自身では文章を残されていないので、すべて伝承になるので本当に言われたのかはわからないのですがいい言葉をたくさん残されています。
ただ、スッタニパータは長く、修行僧ではない現代人にはピンとこない項目も多くあります。
ですので『ブッダの真理のことば・感興のことば』の前半である「心理の言葉(ダンマパダ)」に紹介される423の詩句がまず読むのがオススメです。
さらに興味がわけば後半の「感興のことば」、『ブッダのことば(スッタニパータ)』とすすめばいいと思います。
学者による原文に基づいた翻訳なので少し読みにくいですが、ブッダの教えに触れることができます。
ブッダの教えの多くは難しいお経や特殊な修行ではなく、人間としての道徳や迷いや不安から抜け出すヒントが多いです。今の仏教とは随分と違います。
すべて短い詩句で書かれています。ひとつの詩句を紹介します。
これは昔にもいうことであり、いまに始まることでもない。沈黙しているものも非難され、多く語るものも非難され、少しく語るものも非難される。
おおよそ2500年前にはすでに人はみんな非難されることをといています。
現代人は他者から非難されることに弱く苦手としますが、自身が正しいと思うことであっても非難は常にあることを知っておくと、非難されてもその悩みは少なくなります。
調べるとネットでもダンマパダは多く引用されていますし、YouTubeで「中村元」と調べると動画もあるので聞いてみてほしいです。とても穏やかに話されます。
生で講義を聴いてみたかったですが、すでに他界されているのでその願いは叶いません。
最後に「ダンマパダ」から私が好きな詩句をいくつかのせておきます。
ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも汚れた心で話したり行なったりするならば、苦しみはその人につき従う。――車をひく牛の足跡に車輪がついて行くように。
つとめ励むのは不死の境地である。怠りなまけるのは死の境地である。つとめ励む人々は死ぬことが無い。怠りなまける人々は、死者のごとくである。
他人の過失を見るなかれ。他人のしたことしなかったことを見るな。ただ自分のしたことしなかったことだけを見よ。
悪い友と交わるな。卑しい人と交わるな。善い友と交われ。尊い人と交われ。
怠りなまけて、気力もなく百年生きるよりは、堅固につとめ励んで一日生きるほうがすぐれている。
大空の中にいても、大海の中にいても、山の中の奥深いところに入っても、おおよそ世界のどこにいても、悪行から脱れることのできる場所はない。
荒々しいことばを言うな。言われた人々は汝に言い返すであろう。怒りを含んだことばは苦痛である。報復が汝の身に至るであろう。
先ず自分を正しくととのえ、次いで他人を教えよ。そうすれば賢明な人は、煩わされて悩むことがないだろう。
怒らないことによって怒りにうち勝て。善いことによって悪いことにうち勝て。分かち合うことによって物惜しみにうち勝て。真実によって虚言の人にうち勝て。
他人の過失を探し求め、つねに怒りたける人は、煩悩の汚れが増大する。かれは煩悩の汚れの消滅から遠く隔たっている。
愚かな者を道伴れとするな。独りで行く方がよい。孤独(ひとり)で歩め。悪いことをするな。求めるところは少なくあれ。――林の中にいる象のように。
身について慎しむのは善い。ことばについて慎しむのは善い。心について慎しむのは善い。あらゆることについて慎しむのは善いことである。修行僧はあらゆることがらについて慎しみ、すべての苦しみから脱れる。
『ブッダの真理のことば・感興のことば』より引用