万葉集は面白い!少しエッチな歌も!

本で読んだ『万葉集』について書きました

2019年11月12日(火)

こんにちは、和歌山県橋本市を拠点に活動しております蓬庵(よもぎあん)のワダです。ブログをご覧いただきありがとうございます。

『万葉集』は面白い

『マンガでわかる万葉集』

先日、本屋さんでふと目についたので万葉集の本を買いました。正直なところ万葉集は中高の授業で習っただけなので読み切れるか心配でした。

それでも購入した本は興味深い歌を中心にピックアップされており、内容の3割ほどが漫画で構成されている本だったので楽しく読みすすめることができました。

『マンガでわかる万葉集』上野誠 (監修)、サイドランチ (絵) 2019年10月23日

歴史を知るには歴史書を勉強する必要がある、その時代の人や生活を知るためには歌を勉強する必要があると聞いたことがあります。万葉集を読んでいるとその意味がよくわかりました。

飛鳥時代や奈良時代の人々も、基本的には現代人と大きく変わらないということがよくわかりました。

政治や仕事のことで悩み、恋愛や愛について大胆に表現し、自然や気候の変化に感情を揺さぶられ、中にはお酒をこよなく愛したもの人もいたようです。

お酒に関する歌については下部で少し詳しく紹介しています。

古来の人も愛でた花や季節、聞きなじみのある言葉も多くやはり日本人なんだなと実感しました。

そして興味深く読めた理由のもひとつに、明日香村、橿原市、奈良市などかつて都があったところの地名がよくでてくるんです。

ずっと「明日香」を「飛鳥」と書く場合もあることを疑問に思っていましたが、「飛ぶ鳥の明日香」と枕詞に「飛鳥」が使われることから使われるようになったと説明がありました。

その他にも外来説でインドのアショカ王や楽園を意味する、朝鮮語の村という意味などという見解もあるようです。

少しだけ万葉集を復習!

概要

万葉集は奈良時代に編纂(さん)された日本に現存する最古の歌集(約4500首)とされています。その他、奈良時代には日本最古の歴史書とされる『古事記』や『日本書紀』も編纂されています。

万葉集は天皇や貴族など身分が高い人だけでなく、身分が低い兵士や農民の歌も含まれているのが特徴的です。

基礎知識

以下のことは教科書や受験対策でもでてきます。私もノートに書いた覚えがあります。

『万葉集(まんようしゅう)』

編纂:奈良時代(8世紀)

特徴:最古の歌集(約4500首)、貴族から農民まで幅広い身分の人の歌を含む

国語の教科書にも登場する歌人

・大伴家持(おおとものやかもち)→万葉集の編纂に関わる

・山上憶良(やまのうえのおくら)→貧窮問答歌(ひんきゅうもんどうか)

・柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)→宮廷歌人

・山部赤人(やまべのあかひと)→自然や風景の歌が得意

酒を讃(ほ)むる歌

大伴旅人(大伴家持の父)は酒を愛し「酒を讃(ほ)むる歌」として13首の歌を読んでいます。その中でも印象深いものを少し紹介します。

なかなかに人とあらずは酒壺に成りにてしかも酒に染みなむ

意訳:中途半端に人間でいるよりは酒壺になってお酒に染みていたいものだ。

験(しるし)なき物を思はずは一杯(ひとつき)の濁(にご)れる酒を飲むべくあるらし

意訳:考えても仕方のない物思いをするぐらいなら、一杯のにごり酒を飲むほうがいいようだ。

※奈良時代には、にごり酒以外に透明のお酒もあったということか?

世間の遊びの道に楽しきは酔い泣きするにあるべかるらし 

意訳:この世の中の色々の遊びの中で一番楽しいことは酔って泣くことのようだ。

大伴旅人は、九州の大宰府に赴任して間もなく妻を亡くし、愛妻に先立たれた悲しさや寂しさをお酒でまぎらわしていたのではないかと言われています。

少しエッチな歌

万葉集の中には下心や少しエッチな歌も実はたくさんあったりします。

人に見ゆる表うへは結びて人の見ぬ裏紐したひもあけて恋ふる日そ多おほき

意訳:人に見える上紐は結んで、人の見ない下紐はあけて、あなたを恋い慕う日が多い。

当時は男性が恋人の家に通うスタイルでした。外からは見えない下着(肌着)の紐をほどいておく、またほどけるというのは好きな人が来るサイン、またおまじないのような意味もあったようです。

みどり子のためこそ乳母(おも)は求むと言へ乳(ち)飲めや君が乳母(おも)求むらむ  

意訳:赤ん坊のためにこそ乳母を求めると言うものです。貴方の乳母のような歳の私を求めるなんて。

年上の女性を意識したともいえますし、胸にたいすることを歌ったのかもしれません。古来の男性もおっぱいが大好きだったのでしょうか?

麻苧(あさを)らを 麻笥(をけ)に多(ふすさ)に 績(う)まずとも 明日着せさめや いざせ小床(をどこ)に

意訳:麻をそんなに績まなくてもいい、また明日お召しになるものじゃなし。それよりも床へ入ろうよ。

「床へ(ベッドへ)」というのはつまりそういうことだそうです。

「令和」と『万葉集』

そして今年は年号の「令和」が万葉集より引用され話題になりました。

梅花の歌三十二首の序文

初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す。

興味を持った方はぜひ『万葉集』を読んでみてください。

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