食後に眠いのは脾の臓が悪い?
こんにちは(^-^)
東洋医学ライフを提案する蓬庵(よもぎあん)の和田です。
東洋医学では強い眠気があり日中なのにうとうとと寝てしまうことを嗜睡(しすい)や嗜眠(しみん)といます。
大学のときに食後にある授業はみんなうとうと、先生が「みなさん脾の病ですね。」なんて言っていましたが、そういう意味だったのね!とわかったのは卒業してからでした。
嗜眠(しみん)は夜だけでなく日中も眠たくて気づいたらうたた寝をしてしまう。
声をかけられるとすぐに目覚めるが、すぐにまたうとうとしてしまう状態で、原因にはいくつかあるとされています。今回はいくつかのタイプを紹介します。
○脾虚
病因‥飲食の不摂生、過労、過度に思いや悩む
主症状‥疲労感が強く、体が重だるく常に眠いが、とくに食後にとても眠くなる。
随伴症状‥手足のむくみ、疲労感、無力感、食欲不振(食欲がとてもある場合もある)、やわらかい便、食後の膨満感、顔や皮膚が黄色くなる
所見‥舌がぼってりと大きくなる、ギザギザと歯形が舌につく
脾虚(ひきょ)といって、消化器系が飲食の不摂生などで弱っており、体の中の水はけが悪くなっているときにみられます。
水はけがわるく湿が体に停滞しているため体が重だるいのが特徴で、朝も眠くて寝起きが悪く食後の眠気が強くなります。
体に湿が多い方は雨の日や降る前などはより体が重く眠くなります。晩ご飯を食べ過ぎたり夜間に飲食すると、起床時に体がだるくて眠たいのは消化器系である脾に負担をかけてしまうためです。
○腎虚
病因‥慢性病、房事(セックス)過多、疲労、寝不足
主症状‥体力がなく元気がなく常に眠いが、疲れたり夕方になるととくに眠たくなる。
随伴症状‥足腰がだるくすぐに座りたい、精神不振、倦怠感、疲れやすい
腎虚(じんきょ)といって、過労や寝不足などで疲れているときによくおこります。腎は体のバッテリーのような役割をしており、疲れてバッテリーが消耗するとエネルギー不足で眠たくなるため眠気がおこります。疲労を感じ始める夕方などに眠くなることが多いです。
※上記以外にもタイプはあります。
現代医学でも食後は副交感神経が優位になるので眠たくなることが知られていますが、
古代の中国の人達は以下のように考えていたようです。
黄帝内経霊枢・大惑論篇 黄帝曰.
人之多臥者.何氣使然. 黄帝「病気でもないのに眠たくなるのはどうしてなの?」 岐伯曰.此人腸胃大而皮膚濕.而分肉不解焉.腸胃大.則衞氣留久.皮膚濕.則分肉不解.其行遲.夫衞氣者.晝日常行於陽.夜行於陰.故陽氣盡則臥.陰氣盡則寤.故腸胃大.則衞氣行留久.皮膚濕.分肉不解.則行遲.留於陰也久.其氣不精.則欲瞑.故多臥矣.其腸胃小.皮膚滑以緩.分肉解利.衞氣之留於陽也久.故少瞑焉. 岐伯「食べ過ぎると、胃にたくさんの気と血があつまるために、他の所(表)の気と血が不足するために眠くなる。」
と黄帝内経霊枢には書かれています(^^)
嗜睡(しすい)嗜眠(しみん)にも程度があります。日中ずっと眠い人、食後や夕方だけ眠い人、病がひどくなるほど顕著にあらわれるようになります。
なかなか眠気が強いから治療にきましたと言う方はいませんが、問診をしていると、胃腸障害の方なんかはとくに、食後の眠気が強いという方はたくさんいます。鍼灸治療でも治療することはできます。蓬庵にお気軽にご相談ください。