東洋医学の臓腑と西洋医学の臓器は「似て非なるもの」

西洋医学の臓器とは「似て非なるもの」とは?

こんにちは(^-^)
東洋医学ライフを提案する蓬庵(よもぎあん)の和田です。

東洋医学には五臓(ごぞう)といって、肝、心、脾、肺、腎という5つ臓のがあります。

蓬庵が所蔵している岡本一抱子による『鍼灸抜粋大成』(岡田三郎衛門刊、元禄)という本の五臓について説明しているページなのですが、左の図が胃で、右の図が大腸といわれればなんとなく理解できます。

五臓 大腸 胃 鍼灸大成

(江戸時代に製本されたものです。)

でも、西洋医学の肝臓、心臓、脾臓、肺臓、腎臓とは似て非なるもの」とされています。たしかに生体の機能として似ている部分も多いのですが、そうでない部分もたくさんあります。

一般向けの書籍や鍼灸師の先生によっては、東洋医学の用語を西洋医学と同じフィールドで使って説明をしたり治療をしている場合もありますが、

東洋医学で肝が悪いという診断がでたからといって、病院で精密検査をしても異常がなかったり、逆に検査で肝臓に異常があったから東洋医学の診断で肝に異常があるかというと、そうでもなかったりもします。

東洋医学で血(けつ)が不足している血虚(けっきょ)だからといって、検査で貧血の数値がでるともかぎりません。またその逆もあります。

もちろん、相互的にどちらも所見としてでてくる場合もあります。
ですから「似て非なるもの」なんです。

もともと日本では東洋医学の五臓の考え方の方が古いのですが、蘭学がはいってきて日本で解剖の本をだすときに東洋医学の五臓と似ているということで、東洋医学と同じ用語をそのまま使ってしまったんです。

ですから東洋医学には、西洋医学にはない三焦(さんしょう)心包(しんぽう)という現代医学では謎につつまれた臓腑もあります。

大学で漢方を習った三谷和男先生は、「杉田玄白のバカ野郎!、余計なことをしてくれた。」と授業のときに怒っていました。

いま地元のコミュニティFMで東洋医学の話をしています。なかなか言葉だけでは伝えきれないことがたくさんあります。漢字をみればなんとなくわかることも言葉だけとなると、とても難しくなってしまいます。

漢字で「脾」とみればわかりますが、言葉だけで「こういう場合は、「ヒ」が悪いですね。」なんて言ってもなにがなんだかわかりません。

やむ終えなく、五臓がでてくるときは肝臓や心臓といった表現を使います。でも、本当は「似て非なるもの」、小学生が聞いてもわかるように東洋医学を言葉だけで説明するのはとても難しいです。

ですのでこれを見てくれた人は、ラジオを聞いても「似て非なるもの」で、東洋医学独自の考え方があるんだと思って一緒にはしないでくださいね。

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