セッション|鍼灸フェスタOSAKA2019

鍼灸フェスタで複数のセッションに参加しました。

2019年7月16日(火)

こんにちは、和歌山県橋本市を拠点に活動しております蓬庵(よもぎあん)のワダです。ブログをご覧いただきありがとうございます。

鍼灸フェスタOSAKA2019

鍼灸フェスタ

先日の7月14日は大阪の森ノ宮医療学園専門学校で開催された鍼灸フェスタに参加しました。たくさんの知り合いの方とお会いできました。

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たくさんの先生と会えました!|鍼灸フェスタOSAKA2019
大阪で開催された鍼灸フェスタに参加しました。 2019年7月15日(月) こんにちは、和歌山県橋本市を拠点に活動しております蓬庵(よもぎあん)のワダです。ブログをご覧いただきありがとうございます。 鍼灸フェスタOSAKA2019 鍼灸フェス...

薬師灸

伝統医学思舎さんのブースで薬師灸を体験しました。特製おみくじで猪飼先生のスクナヒコナノミコト様も頂きました。

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薬師灸|鍼灸フェスタOSAKA2019
鍼灸フェスタで薬師灸を体験しました。 2019年7月16日(火) こんにちは、和歌山県橋本市を拠点に活動しております蓬庵(よもぎあん)のワダです。ブログをご覧いただきありがとうございます。 鍼灸フェスタOSAKA2019 鍼灸フェスタ 先日...

セッション

朝の9時に開場してから多くの企業や団体によるセッションがおこなわれました。

どうしても同じ時間で興味があるセッションが重なっていたり、知り合いの先生と話し込んでしまい行けなかったものもあり残念でした。

それでも振り返ってみると、気づきや学びもありすごく充実していました。

インプット

実技に関しては、学生のときのように「よくわからないけど、なんかすごい!!」ではなく、少しは何を目的としているのか、何をしているのかは予測をできるような段階になってきました。

自分のやり方などに整理し直して見ることができましたし、上手な先生の体の使い方を意識して勉強させてもらいました。

いろんな手技をそのまま別物として知識を増やしていくと混乱しますし、結局は習ったことを使うことなく終わってしまうので、自分がベースとしている施術方法の中でどのように活かせるかを意識するのが大事だと思います。

どうしても実技では、どんな施術やツボを使っているのかが気になるところではありますが、それを知っただけではあまり役に立ちません。

同じ効果を再現するには、その先生が使っているルール(理論、システム、設定)や技術を知る必要があります。

また、そういった手先の部分よりも、上手な先生の施術の姿勢、どういった部分に目配りをしているのか、どんな施術の順番で何を目的としているのかを見ると勉強になります。

「講習会ではみんな一番前で手元を見たがるけれど、少し離れた場所から見るぐらいの方がいい。」、学生のときに大先輩の先生から言われたコトバです。

さらっと、秘伝のコツのようなことを書いてしまいましたが、私はこのコトバを意味を理解するには数年以上が必要でした。

わかっている先生には当たり前のことだし、ピンとくる段階の先生にはガッテンがいくだろうし、その段階でない先生にはわからないと思います。

秘伝のコツのようなことも、結果的にその段階でないと聞いても理解できないし、理解しようとする気がない人の記憶からはすぐに薄れてしまうので、ブログやTwitterなんかでも最近はたまに大事なことも書いています。

ただ、今はわからなくても意識していることでわかるときがきますので、興味がある方は日頃から意識してもらったらよいと思います。

アウトプット

09:20 鍼灸を継ぐ 鋤柄誉啓先生 お灸堂

時間に間に合うようにきていたのですが、着く直前から腹痛に襲われて遅くなってしまい、最後のまとめと質問のところだけを聞きました。

インプットしたらすぐにアウトプットすることが大事、また広く興味をもってもらうためのデザインを学ぶといいということでした。

10:00 養生@環境鍼灸学 伊藤和憲先生 明治国際医療大学

失礼ながら少しはなしを聞いて他のセッションに移動しようと思っていたのですが、少し早めの5分前にはじまり予定時間ギリギリの60分以上にわたる熱弁で聞き入ってしまいました。

伊藤和憲先生といえば学生のときからトリガーポイント療法の本をだされている先生という印象が強かったのですが、養生×地域×鍼灸についても熱い先生だったのをしりました。

「病院は病気の人しか治せない。」

すごく印象に残るコトバでした。もちろん健康診断や美容といった自費の分野もありますが、基本的には病院は病名をつけないと健康保険というシステムは機能しません。

治未病(ちみびょう)→未だ病まざるを治す。

古来中国より伝わる考えで、病気になる前の状態を治すという意味、予防医学の原点と言われたりする。

未病(みびょう)という診断名は健康保険ではありません。もちろんその分野に目を向けられている医師も多くいますが全体からみると少数です。

その点、鍼灸師は「未病(みびょう)」という分野は得意とするところです。

また鍼灸院の中だけでなく、地域との取り組みによる養生という考え方を学びました。

鍼灸フェスタ

コトバにしていかないと実現しないということで、開催が予定されている大阪万博で、企業と連携することで「鍼灸や養生に関するパビリオンを!」という熱い思いを語ってくれました。

11:00 散鍼 寄金丈嗣先生 刺絡学会

これは直前に告知されたゲリラ的な実技になるのですが、『ツボに訊け!―鍼灸の底力』の著者で知られる寄金丈嗣先生の散鍼(さんしん)の実技がありました。

機会があればお会いしてみたい先生の1人だったのですが、今まで機会が無く露出もあまりない先生なので興味がありました。

せっかくの機会なので腕に施術してもらいました。非常に触診も施術も大師流の小児はりのように軽いソフトなものでした。

他の方が頭の施術を受けているのをみていると、顔の気色や目の輝きが変わってきているので、数分の施術で効果がでているのが確認できました。

すぐに真似のできることではないですが、手の動きや鍼をどのように持ているのかをあとから個人的に質問しました。

不意に出てくるこぼれ話の中にも役立つ情報があり、実技を最後までみさせてもらいました。

12:00 よくわかる圓鍼の使い方 東洋はり医学会関西

こちらは少しみさせてもらっただけで、ほとんど東洋はりのスタッフできている知り合いの先生を見つけたので話し込んでいました。

てい鍼のことや、革製品を作るのが上手な先生とオリジナルでてい鍼ケースを作ることなどを話しをしました。

ワークショップになるのか、オーダーメイドで受注生産になるのかはわかりませんが、また何か進展があればシェアさせてもらいます。

13:00 シンプル鍼灸の可能性 横山奨先生 東方会

横山奨先生の実技もセッションのなかで人気のひとつだったのではないかと思います。

問診や脈をみてツボを選び、体を根本的に調節するような処置をしたあと、お腹、背部、頭など全身を総合的に状態をみて、軽やかな手の動きで接触鍼法、最後に微調整をするようなアプローチをあいてるのかな?、と思ってみていました。

ゴウ鍼での接触鍼は、手の感覚を重視して体の反応で気になるところに施術しているということでいた。

また印象的だったのは、最初に使う道具の説明で打鍼や槌を自分で削って作ったのを使っているというおはなしです。

そしてそれらは「愛着があるから使っているけど、きちんと職人さんなどが作ったものの方がいいよ!」というコトバでした。

私も同感ですし、自分で鍼を作ったことのある先生の多い意見だと思います。

てい鍼ワークショップをしている身で言うには不適切な発言かもしれませんが、やはり市販のものや職人さんが作ったものの方が安定していて使いやすいのが事実です。

だからといって、横山奨先生も自分で作った鍼具を愛着をもって使っているように、使えないことや効果がでないわけではありません。

14:00 お腹トントンで絶対に効かせる 山本克仁先生 北辰会

注目していたセッションのひとつである北辰会の打鍼の実技です。私も臨床で使う槌でお腹をコンコンと叩く鍼です。

私の師匠が北辰会の代表である藤本新風先生と、長年にわたって漢方クリニックで一緒に働かれていたと言うことで、師匠は北辰会の会員ではないのですが北辰会方式といわれるような施術を勉強されていました。

その関係で私も師匠をとおして藤本新風先生や北辰会の施術を学びましたし、師匠のところではそのような施術方式でやっています。

なので打鍼も北辰会のやり方をならったのですが、本家のやり方を見る機会があれば見に行くようにしています。前回もその目的で伝統鍼灸学会にいきました。

今回も1時間をかけて打鍼の説明、体表観察、実技をみることができてよかったです。

体を空間的にみていき「気」の偏在があることを確認、症状と「気」の偏在が一致していることを確認してお腹の1カ所に打鍼をして症状を緩解しました。

スタンダードなやり方として打鍼の最初と最後に下腹部に火曳気の鍼をするんですが、シャ法だけを優先したい場合はしない場合もある、鍼はお腹の邪の反応にあわせて太さを変えるなど参考になりました。

鍼灸フェスタ 実技写真

15:00 時邪を斬る!! 関西漢法苞徳之会

関西漢法苞徳之会スタッフできていた知り合いの先生に「ぜひ、きてください!」と言われて伺いました。

時邪(じじゃ)といって、季節や時間帯によりあらわれる邪気についてでした。各季節に応じて臓腑に、旺・相・死・囚・休(おう・そう・し・しゅう・きゅう) を配当して考えることができることをしりました。

季節ごとに外邪(六淫)の影響を考慮して臨床をしていましたが、五行関係のレベルまで考えていなかったので参考になりました。これで季節の症状をより深く考えるきっかけになりました。

またその関係を早見表にした内部資料が販売されていたので購入しました。

16:00 体表観察と古代鍼 藤本新風先生 北辰会

今回の目的の大きなひとつである藤本新風先生の実技セッションです。なかな内部の勉強会でしか見る機会がないので貴重な機会でした。

実技では体表観察時の体の使い方やタイミングについてみさせていただきました。やはり手の動きがとてもしなやかで軽いです。北辰会の触診の仕方は手が重たく左右で不均等ではできません。

実技では希望者1名の方と一緒に体表観察をおこない指導するということがおこなわれました。

顔の望診のときに覆いかぶさり覗き込むようにみると脈が変わる、少しはなれて診たほうがいいというようなアドバイスや、ツボの状態を確認するのに触れるときは衛気にあわせてツボに触れることが大事なことを言われていました。

ツボに触れにいくときのスピードが、速い、遅い、と指をもってもらい一緒に触れる練習をされていたので、指導してもらった先生は勉強になったと思います。

ツボの圧痛を確認するときは力で押すというよりも、ツボをひきだして反応まで指を沈めることがポイントです。正直なところ私はその感覚を覚えるのに何年もかかりました。

触れるタイミングについて師匠からは「気の去来」をよんで触れることをならいましたが、きっと同じことだろうなと思ってみていました。

鍼灸フェスタ 北辰会 藤本新風先生

北辰会は少数穴ですが、少数で効かすために体表観察で体を整理、症状がこういう理由でおこっている、体をこういう風に変化させればよくなるという設定まで仕上げての一穴であったりします。

学生さんならみていて「なんかすごい!」というのが素直な意見だと思います。

もちろん一穴でうまくいけばよいのですが、私はまだまだ未熟なので少なくても数穴は使います。

一穴というルールで治せないよりは、数穴を使って治せるならその方がよいと思ってます。

そして、この実技では古代鍼Ⓡという北辰会が使かっている接触鍼(てい鍼)の使い方でした。

以前は「金」と「銀」を使い分けて使っていたけれど、今はステンレスを主に使っているというのが意外でした。

ステンレスは素材の力としては「金」や「銀」におとる部分もありますが、使いこなせれば素直に効かせれる素材です。

最初の頃は感覚に慣れるのに「金」と「銀」も使うことがあると言っていたので、やはり施術のときのイメージといった技術でフォローされているのだと理解しました。

師匠にも確認しましたが同様のことを言っていました。

私もたくさんの刺さない鍼(てい鍼)を使ってきましたが、使う本数は限られてきました。

たくさん使うよりも少ない鍼でいけたほうが、持ちかえる必要もなく臨床では便利です。

師匠は古代鍼を「金」と「銀」を使い分けていますが、北辰会は次の段階にいってるんだと感じました。

私もつい鍼の力に頼ってしまうので、てい鍼は「金」や「銀」もよく使います。

それでも打鍼は気の動きをあつかいやすい真鍮を使います。銀などは動きが速いので使いこなせないと失敗も多くなります。

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ちょっと勇気がいりましたが、帰り際に挨拶をさせていただき名刺を頂きました。

まとめ

あとから見返すと本当にたくさんのセッションに参加させてもらいました。

通りで興奮して寝られなかったハズです。少し思い出して書くだけでもこんなにありました。こんなに勉強させてもらって無料ですから大変なはなしです。

普通なら5000円以上の参加費を提示されてもおかしくないレベルだと思います。

てい鍼ワークショップでも使えそうな話しもありました。ありがたい。

団体のスタッフできていた先生がフリーで参加していて羨ましいと言っていましたが本当にそうです。

充実した1日となりました。

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