肩こり、曲げられない親指|症例報告|整形と整骨院では治らなかった。

症例報告「肩こり、脱臼後の曲げられない親指」

こんにちは(^-^)
東洋医学ライフを提案する蓬庵(よもぎあん)の和田です。

今日は先日にこられた患者様の症例を紹介したいと思います。

Yさん 女性 40代 橋本市高野口町 主訴は肩こり

主訴は肩こりでこられたのですが、より肩こりがひどくなった頃を問診で確認していくと、2ヶ月前にこけてしまい体重を左の親指で支えて脱臼したといいます。

整形外科で診てもらいギブスによる固定をしました。ギブスをはずすと関節がかたくなり無理に曲げると痛みがでる状態、それでも骨には異常はないということで、親指を曲げられないのに施術は終了となったそうです。

その後は整骨院でマッサージなどの施術を受けるも大きな効果は感じれなかったそうで、もう指はこれ以上なおらないとあきらめていたそうです。蓬庵にはFacebookをみて知り肩こりの施術でこられました。

この場合は脱臼というケガをしたことにより親指の動きが悪いことがより肩こりをひどくしていることが考えられます。脱臼により関節が太くなってしまっていること、また関節を固定している期間に動かさなかったため固くなっている肩や腕の筋肉や腱の柔軟性を戻していく必要があります。

このようなケースの治療は手の患部を施術しても効果は薄いです。
肩から大きく施術をしていく必要があります。

治療で意識したのはアナトミートレインという、筋肉の表面の膜である筋膜のつながりです。東洋医学の経絡(けいらく)と非常に類似するものです。

ディープフロントライン(母指球筋→撓骨→上腕二頭筋→小胸筋)を中心に、ディープバックライン(小指球筋→尺骨→上腕三頭筋→回線筋腱板→菱形筋・肩甲挙筋)を加えて鍼をつかって治療しました。

※アナトミートレインのラインの詳しい図は画像を検索するとでてきます。

初診時の施術

初診では体質を含めた問診や体表の観察をおこない、まず体質なども考慮して頭のてっぺんにある百会穴(ひゃくえけつ)、足の小指側にある足臨泣穴(あしりんきゅうけつ)に鍼の施術をしました。

経絡(けいらく)の流れ調節して気の流れををよくすること、また体質である「肝」の臓の調整をおこないました。「肝」の臓の性質は筋肉とも深くかかわる臓です。

その後、ディープフロントラインを中心に施術しました。とくに大きな変化があったのは上腕二頭筋へのアプローチ、動かなかった親指が手のひらにつくようになりました。
それでもまだ強いつっぱりや痛みが残る状態ではありました。

特別に今日はつらかったという肩こりと背中の痛みは改善、初診時はこれで施術を終了しました。

手の症状治療前

2回目の施術

患者様の都合で2週間後の施術となりましたが、幸い前回の施術から親指の悪化はしてなさそうです。自宅では簡単な指のストレッチはしてもらっていました。肩は日頃の疲労が蓄積してきているけれど、前回のようなコリ感や痛みはないとのことでした。

初回と同様に経絡(けいらく)の気の流れや体質を考量した鍼の施術、今回はさらにディープバックラインである肩関節を構成する回旋筋腱板の筋肉にアプローチしました。

回線金券板(ローテーターカフ)とは 肩甲骨から上腕骨にかけて付着する4つの筋の総称です。

①肩甲棘の棘上窩から上腕骨の大結節に付着する「棘上筋」

②肩甲棘の棘下窩から上腕骨の大結節に付着する「棘下筋」

③肩甲骨の外側縁から上腕骨の大結節に付着する「小円筋」

④肩甲骨の肩甲下窩から上腕骨の小結節に付着する「肩甲下筋」

動きの悪い親指を手のひらに近づける運動をしてもらいながら、小円筋と棘下筋に鍼の施術をしました。鍼の施術では運動鍼というテクニックです。これをした瞬間に一気に親指の緊張がとれて、スムーズに手のひらへと指がつくようになりました。患者様はとてもビックリされて喜ばれていました。

手の症状治療後

このように有効な治療のポイントというのは、症状がでている場所から離れていることもよくあります。整形であたためる遠赤をあててもらったり、整骨院でも症状の場所にマッサージや低周波をあてているような治療では、症状に変化がないか治るとしてもとても時間がかかったと思います。

自費での鍼灸治療は整骨院の保険治療と比べるとはっきり言って高いですが、治療の期間や効果を考慮すると決して高いものではないと思います。もちろん保険での治療で整骨院に通うのもひとつの方法ではありますが、

数週間通っても症状に変化がなかったり、

症状の場所にしかアプローチをしてくれないなら、

鍼灸専門の鍼灸院というのもぜひ視野にいれてみてください。

 

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