2018年9月14日(金)
こんにちは、蓬庵の和田です。
昨日、患者様からハワイのお土産を頂きました。いつもお心遣いありがとうございます。
ちょうどタイミングが悪く台風の日にかえってきたそうで、関空に飛行機が降りることができなくて大変だったそうです。こういうお土産話しは楽しいです。
さて、ふと今日は師匠が患者様とお土産の話で高麗人参、朝鮮人参、オタネニンジンのはなしをしていたので少し書いてみます。
中国や韓国に行ったという方からお土産で高麗人参をもらったことがある方もおられるのではないでしょうか?
品質の良いものは非常に高価なものとして取引され、お土産として売られているものの中には高いだけで品質が良くないものもよくあるようです。
なんとなくのイメージとして、「すごく元気になる!」「体に良い!」「病気のときに良い!」「ガンに良い!」、そんなイメージをもっている方も多いのではないかと思います。
実際に人参を使ったサプリメントや健康食品もたくさんありますよね。
では、生薬解説をみていきましょう。
高麗人参の解説
神農本草経という古い生薬の本に紹介されています。
出典→ 神農本草経、人蓡
主治→補五臟、安精神、定魂魄、止驚悸、除邪氣、明目開心益智。久服輕身延年。
個人的には「大補」「健脾(胃)」と、大きく気を助け、胃腸の働きをよくするイメージでしたが、古い書物を見てみるとちょっと意外な感じでした。
安精神、定魂魄、とあるので精神を安定させ落ち着かせる作用もあるようです。また長寿の薬として使われる理由も説明されています。
一般的に処方の適応となるのは、慢性病、高齢、術後、産後、小児などで体力や胃腸の働きが弱っているときになってくると思います。
東洋医学では、エネルギーが満ちあふれることによるトラブル「実」、エネルギーが不足することによるトラブル「虚」にわけます。
人参の効能からいきますと「虚」の状態が適応する生薬になっています。逆に「実」のときに使用すると火に油をそそぐ結果となった場合に症状の悪化をまねく可能性があります。
ですので、基本的に元気な人はあえて高麗人参を使用する必要はないかと思います。
また高血圧の原因になるとも言われていますし、逆に含まれる成分から高血圧で服用すると改善するという意見もあります。
高血圧にもたくさん原因があり、さじ加減というように処方をだす先生の力量でも効果は変わってくるので、一概に良い悪いという言い方はできませんが、
漢方薬や生薬は副作用が無いことはありませんし、「高麗人参は体に良い。」といっても体の状態によりあわない場合もありますので注意するようにしてください。