ALS(筋萎縮性側索硬化症)の解説|宇宙兄弟シャロンの病気

紀伊半島に多いALS(筋委縮性側索硬化症)

こんにちは(^-^)
蓬庵(よもぎあん)の和田です。

私がよくチェックしている番組に、「宇宙兄弟」というアニメがあります。宇宙にあこがれ宇宙飛行士を目指すお話ですが、今回のお話では、登場人物のシャロンという天文学者に、

ALSという難病があることがわかりました。ALSとは、筋萎縮性側索硬化症という実際にある病気です。まだまだ解明されていない部分も多く、数年で死にいたる可能性がある病気です。

この病気は、10万人に1~2人とまれな病気ではありますが、実は紀伊半島の古座川地区で非常に多く報告されおり牟呂病と呼ばれていました。1960年代の調査でALSの頻度が世界の他地域と比べ、10~100倍と非常に多く、古くは1600年代に書かれた書物 (本朝故事因縁集)にも、ALSを示唆する疾患の存在が記されているそうです。

私が通った大学は和歌山医大の先生が多く、ALSが専門の先生にも授業を習いました。以下は授業のノートより。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)Amyotrophic Lateral Sclerosis

アミオトロ ラテラル スクレローソス

10万人に1~2人

10%遺伝性 90%弧発性

グアム島、紀伊半島、西ニューギニアに多い

症状→筋の萎縮→側上肢(とくに母指球、小指球、骨間筋)

1~2年(月単位で変化)で→他側上肢→下肢→呼吸筋→舌筋→呼吸困難

しだいに手の力がはいらなくなり、全身の筋肉の力がおとろえ、最後には呼吸すら自分でできなくなります。つまりは死にいたります。

特徴

筋繊維束攣縮 (これはアニメの中でも確認していました。)

筋肉の表面が小さく痙攣する症状

原因

不明

興奮性アミノ酸説

グルタミン酸が過剰→神経細胞死

*運動ニューロンの疾患のため、視覚、聴覚、意識、知能は正常

陰性四兆候

1、感覚障害はない

2、眼球運動障害がない

3、膀胱直腸障害がない

4、褥瘡がでない

診断

進行性で広がっていく

①筋萎縮

②針筋電図

③筋生検(HE発色)

治療

リルゾール‥興奮性アミノ酸を抑える薬(臨床試験で延命効果あり)

久々に神経内科(若山育郎先生・医師)の授業でとったノートを引っ張り出し、あらためて見直して復習してみました。

ALSだとは気づかずに鍼灸院にくる可能性もありますし、医師でも診断できない場合もありますから、こういった知識も頭の片隅の残しておかないといけません。

ありがたいことに大学だったので、専門学校ならさらっと短時間でならう授業を、神経内科という1つの科目として専門の医師から習うことができました。

おかげで難しすぎてわからないことも多かったですが、臨床にでれば役立つことも多いですね。専門学校では鍼灸師の先生が教科書通りに教えているだけの場合も少なくありません。

そういう意味では、内科、外科、整形、婦人科、小児科、精神科、心療内科、神経内科、眼科、麻酔科、耳鼻科などなど、各専門の医師の先生から習えたのは、学生の頃はいまいち価値を見いだせませんでしたが、臨床をやりだすと非常に価値のあることだったと思います。今ならもっと質問したり、真面目に授業を聞くでしょうね。

学生のうちは定期テストにでるとこや、国家試験にでやすいとこを優先していまい、医師の教科書から逸脱したはなしはうっとうしく感じましたが、実はそいう話しがすごく大事だったりするんですよね。鍼灸院には非常にさまざまな患者さんがきますからね。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

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